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アナリスト考(1)

ゴールデン・ウィーク前辺りから、上場企業の決算発表が本格化し、当社でもアナリスト・機関投資家向け説明会に参加する回数が増えてきています。今回はその繋がりで、一般に誤解もされやすい(セルサイド・)アナリストについて、少しだけ触れてみたいと思います。

まず、それら説明会に行って多くの人が気付くであろう傾向は、説明会の参加者(ここには一部経済紙等のマスコミも含まれます)には、何故か細身で猫背の人が多く、気配が強くない(?)人達が多い、という事ではないかと思います。

また、質疑応答の際に分かりますが、全体的に、あまりハッキリと話さなかったり早口の人が多く、一般に鮮明に話す癖の付いた人が多い経営者達とのコントラストは、なかなか興味深いものであったりもします。

ただ、それでは徹頭徹尾控え目な人達が多いのかというと、特にそういう事でもなく、時に慇懃無礼、或いは単に無礼な、物言いをするアナリストというのも、散見されます。

そういった一部の人々に共通する不遜さは、「経営者は、市場の門番たる自分達に説明して当然なのだ」という感覚から来ている様に見えますが、そうだとすれば、それは甚だ思い上がった勘違いに過ぎないのではないかと思います。

他には、これはレアなケースですが、質問の背景などを説明しようとしている内に、自分のミニ講演の様になってしまう人も、ごく稀に存在します。当社のアナリストが数年前に居合わせたケースでは、厳しい環境下にあった卸業者への質問にあたって、感情移入が過ぎたのか、バーゲニングパワーを発揮する小売企業の批判を非常に熱っぽく展開するに至ったアナリストもいましたが、これなどは、その会合の趣旨を考えれば、全くの暴走をしてしまったという例ではないかと思います。

一方で、時折、証券会社のアナリストレポートを一読して、

「あのアナリストは分かっていない」などとコメントする個人投資家の方々がいますが(そして、これは万国共通の話の様ですが)、プロ向けの説明会のQ&Aを聞いて、その論旨を考えれば、恐らく、そういった批判が容易に正当化されるほど、少なくとも一部のアナリスト達は無知ではないし、物を真剣に考えていなくも無い、という事は分かるのではないかと思います。

批判をするにしても、その情報を活用しようとするにしても、アナリストレポートの内、特に個人投資家が容易に入手出来る位置付けのものは、そのアナリストの持つ分析や情報のほんの一端を示したものに過ぎない、という事を、個人投資家はまず知っておくべきではないかと思います。

一方で、アナリストの能力は、ご想像の通り、個々の間でのバラつきが非常に大きく、また、一応のカバー範囲と、メインでカバーしている企業では、同じアナリストでも当然に、その知見の濃淡に大きな差が生まれ得ます。

その為、アナリストランキングで上位にランクしている様な人気アナリストであっても(勿論、大手証券に属している場合は特に、アナリストランキングそれ自体が個別のアナリストの分析能力の高低を示したものだとは、明らかに言い難い面がありますが)、一部のカバー範囲であるはずの企業に関しては、レポートは書いていたとしても、あまり深い分析が進んでいないケースもあります。

つまり、我々の評価では、個人投資家から見た場合に、若干不遜な人々が思うほどには、プロのアナリスト達が能力不足であるはずも無く(何にしても、週に数十時間は個別企業や業界のリサーチに費やしている人々が、そこまで貧困な情報不足に陥っていると考える方が不自然ではないでしょうか)、一方で、彼らも時間の制約を大いに受けながら、例えば大型顧客であるバイサイドへの投資家向けサービスにも大きく時間を取られながら、仕事を行っている普通の人間である事を考えれば、

一部の人々の様に、「殆ど全てを」「正しく」言い当てることを期待するというのは、やはりそれはあまりに過度な期待となってしまうのではないかと思います。

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