前回のイー・トレード・ファイナンシャル・コーポレーションをもって、米オンライン証券、ディスカウント・ブローカー上場大手3社の纏めを終えましたので、今回は日米オンライン証券大手各社の時価総額一覧を纏めておきたいと思います。
(米国)
チャールズ・シュワブ 250億ドル(約2兆8,770億円)
TDアメリトレード 106億ドル(約1兆2,130億円)
E*TRADE 65億ドル(約7,429億円)
(YAHOO!FINANCE:2007年8月24日:1ドル115円換算)
(日本)
SBIイー・トレード 3,584億円
松井証券 2,668億円
マネックス・ビーンズ 1,925億円
カブドットコム証券 1,317億円
(Yahoo!ファイナンス:2007年8月27日前場引値ベース)
米国ではこれまでオンライン証券の統合が進んできた為、それに比較した際の国内各社の時価総額の小規模さが見て取れます。
しかしながら、その国内においても、大手の5社(上記4社+非上場の楽天証券)に関しては、そのスケールメリットを享受した黒字体質が既に定着しており、オンライン証券黎明期(2000年前後)において見られた、「生き残りの為のM&A」が必要とされる局面にはありません。
一方、国内中小のオンライン証券各社に関しては、株式市場が好況に沸いた2005年には一旦その収益体質が大きく改善したものの、その後の市場の停滞、業界内で熾烈化した価格競争の影響、などにより最近は赤字化、財政状態の弱体化の進む企業が散見される状況にあります。
その為、まずはこういった中小オンライン証券の顧客口座を巡るM&Aの動きが活発化する事が
予想されるものの、より長期的にはそれに留まるとは限らないと弊社では考えています。
事業規模に関わらず一定規模のシステム、一定の人員確保が求められる固定費ビジネスであること、買収・合併により両社がそれまでに培った技術・サービス・金融商品を併せて顧客に提供出来るようになること、更にプレイヤー数が減ることによって、価格競争の圧力が減じられる可能性があること、等の背景から、
同業界では買い手・売り手双方にとってM&Aがメリットの大きいものとなりやすく、ネットバブル崩壊後、合従連衡の進んできた米国においても、つい先週も上記の内の2社、TDアメリトレードとE*TRADEが経営統合の可能性に関して話し合いを持っている、とWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)にて報じられたばかりです。
そして、その背後にはTDアメリトレードの株主であるヘッジファンドの圧力があるとも度々伝えられてきました。
国内において、同様のアクティビスト的動きが同業界の統合を推し進める可能性は現状では低いと弊社では考えますが、上記のような同業界の経済的特徴は常に存在するものである以上、今後もプレイヤー各社の動きが魅力的な投資機会を提供する可能性には、注目しておく必要があると考えています。
(参考:米国オンライン証券大手各社の業績抜粋)
The Charles Schwab Corporation(ナスダック市場:SCHW)
チャールズ・シュワブ・コーポレーション
純営業収益 税前利益(*) 純利益
2006年12月期 43.1億ドル 14.8億ドル 12.3億ドル
2005年12月期 36.2億ドル 10.3億ドル 7.3億ドル
2004年12月期 34.2億ドル 5.5億ドル 2.9億ドル
(*)継続事業のみ
TD AMERITRADE Holding Corporation(NASDAQ市場:AMTD)
TDアメリトレード社
純営業収益 税前利益 純利益
2006年9月期 18.0億ドル 8.6億ドル 5.3億ドル
2005年9月期 10.0億ドル 5.5億ドル 3.4億ドル
2004年9月期 8.8億ドル 4.6億ドル 2.8億ドル
E*TRADE Financial Corporation (ETFC:NASDAQ市場)
イー・トレード・ファイナンシャル・コーポレーション
純営業収益 営業利益(継続事業) 純利益
2006年12月期 24.2億ドル 6.3億ドル 6.3億ドル
2005年12月期 17.0億ドル 4.5億ドル 4.3億ドル
2004年12月期 14.8億ドル 3.8億ドル 3.8億ドル
2003年12月期 13.4億ドル 2.0億ドル 2.0億ドル
2002年12月期 12.6億ドル 1.2億ドル ▲1.9億ドル
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