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ジョージ・ソロス氏著書 「ジョージ・ソロス(原題:SOROS ON SOROS)」

国際的投資家、同時に世界的な慈善家としても有名なジョージ・ソロス氏は、以前当コラムでもその著書を取り上げたジム・ロジャーズ氏の元パートナーとしても知られています。

ジム・ロジャーズ氏は、途中で二人が育て上げたファンドを去ることになりますが、 彼らの「クォンタム・ファンド」は、本書(日本では1996年刊行)によれば、1969年から26年間にわたり株主に35%近い平均年間収益をもたらしている、ことが示されています。

それは、1969年に1,000ドル投資していれば、26年後には約215万ドルとなった計算であり、同期間に元手が約2,150倍に増えていたことを意味しています。

本書「ジョージ・ソロス」は、このソロス氏の人物像、哲学、過去の経歴などについて、 大きく以下の3つの部に分けて明らかにしています。

1.個人的生い立ちとファンド・マネジャーとしてのキャリア
2.政治的意見と慈善家としての歩み
3.資金を稼ぎ、使う上で指針となった哲学に関して

投資を中心に関心を持った方であれば、1の部分が強く関心を喚起するものであることは 自然であると思えますが、弊社の考えでは、同様に2、3の点が、ジョージ・ソロスという金融市場の巨人の投資理論を可能な限り正しく理解する上では、欠かすことの出来ない側面であると見ています。

投資とは、突き詰めれば「世の中をどのように見るか」という問題と切り離すことの出来ないものであり、本書は上記3つの角度から、同氏のその問題に関する深い洞察と、それを裏付ける歴史観、哲学、経験などを、対話の形式で丹念に解き明かしています。

本書は所謂「投資のテクニック本」とは性格を異にするものであり、また、理解のために 歴史や哲学の一定の知識を前提とした箇所も多いため、万人受けする内容では無いかもしれません。

また、時事問題が多く取り上げられている性格を持ちながら、既に刊行から10年以上が経過しているため、現在は当然に状況が大きく変わっている箇所も多く見られます。

それでも、現代において紛れもなく最も大きな成功を収めた投資家の一人であり、本書の表現を借りれば、「祖国なき政治家」、「挫折した哲学者」としての顔を併せ持った悩める巨人の考えの背景を掴む上で、本書は十分にその役割を果たしているでしょうし、その価値は今後更に時間が経っても色褪せるものではないと思います。

以下は、同氏がジム・ロジャーズ氏と組んで、「二人で世の中に戦いを挑んだ」 時のことを語った箇所の引用。

「私たちは二人とも、「市場は常に間違っている」という前提から出発していた。
ただ、ジム・ロジャーズと私の考えが大きく異なっていたのは、ジムが一般通念は常に間違っていると考えていたのに対し、私は自分たちも間違っているかもしれないと考えていた点だ。」

(「ジョージ・ソロス」 ジョージ・ソロス著:七賢出版)

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